最近初めて知ったのですが、患者さまの自宅でもX線写真が撮れます。
私は、通院の難しい患者さまを在宅で診療しているのですが、中には慢性心不全の方や、肺炎の疑われる方がおられたりします。こんな方の診療をする場合には、レントゲン写真をとってみたいとよく思うのですが、症状が比較的軽い場合は、わざわざそのために、病院を受診していただくのは実際にはむずかしいことが多いのです。
今回、業者の方から、ポータブルレントゲン装置を4月18日の1日だけ借りられることになりました。
借りたのはこんな機械です。
この機械でX線を発生させます。家庭の 100V のコンセントが電源になります。
これがフラットパネル (flat panel detector) です。
厚さ 1cm 程度の板です。この板を患者さまの体の下に敷いて、X線を照射します。
すると、この板がX線を感知して、電気信号に変えてくれます。すると10秒以内にパソコンの画面にX線画像が出てきます。
この板は大変高価で、1枚で数百万円するそうです。扱いには細心の注意を要します。
この日は、私と看護師と事務員の合計3名で9名の患者さまのレントゲンをとって回りました。
プロテクターを着た看護師が、X線発生装置を手で持って、私がスイッチを押して照射し、撮影しました。
撮れた画像がこれです。
病院でとったレントゲン写真と比べても遜色ないレベルです。
技術の進歩には驚きました。
レントゲン技師ではない、いわば素人がとってもこんなにきれいな写真が簡単に撮れるんですから。
別の患者様ですが、今日、レントゲン写真をとってみたら、胸部の写真でたまたま肩の脱臼を発見しました。
痛みの訴えはあるようだったのですが、どこが痛いのかはっきりしない患者様でした。
脱臼があったので、その場で整復しました。
もう一度レントゲンをとって整復できていることを確認しました。
その後、痛みはおさまりました。
まさか肩関節が痛みの原因とは思っていなかったので、レントゲンなしでは診断できず、問題も解決されないままでした。ほんとにレントゲンさまさまです。
在宅医療においても、レントゲン装置は必需品だと強く感じました。
なんとか早めに導入したいと思っています。
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