診療、看護、介護に生かす聖書の人間観(その10)

<すべての人は罪人(2)>

 〜〜罪に関して神様の求めておられる標準は、恐ろしく高い〜〜

 に書きましたが、最初の人間であるアダムとエバが罪を犯したのが罪の起源です。
 すべての人は、アダムとエバの子孫であって、罪の性質もすべての人がもれなく引き継いでしまっています。
 聖書の中で、罪は一つの大きいテーマです。
 聖書が罪について、どのように語っているのか、見ていきましょう。

2018/7/26 教会の中の人間関係で傷つけられないために(その8)
 に書きましたが、
 神様は旧約聖書の時代に、多くの戒め、決まりを人間に与えられました。
 その中でも一番中心にある、重要な戒めは「モーセの十戒」と呼ばれるものです。旧約聖書の出エジプト記20章に書かれています。
 どんな戒めかと言うと、以下のとおりです。

    (1)主を唯一の神としなさい。
    (2)偶像を作ってはいけません。(偶像崇拝の禁止)
    (3)神の名をみだりに唱えてはいけません。
    (4)安息日を聖としなさい。
    (5)父母を敬いなさい。
    (6)殺人をしてはいけません。(汝、殺す無かれ)
    (7)姦淫をしてはいけません。
    (8)盗んではいけません。
    (9)隣人について偽証をしてはいけません。
    (10)隣人の財産をむさぼってはいけません。

 まあ、これぐらいの決まりだったら、守れるよ。とあなたはおっしゃるかも知れません。
 でも、実は、神様の求めておられる標準は、恐ろしく高いのです。

 聖書にこう書かれています。イエス様の言われた言葉です。

マタイの福音書
 5章21-22節
21,昔の人々に、『人を殺してはならない。人を殺す者はさばきを受けなければならない』と言われたのを、あなたがたは聞いています。
22,しかし、わたしはあなたがたに言います。兄弟に向かって腹を立てる者は、だれでもさばきを受けなければなりません。

 兄弟に向かって腹を立てた時点で、それは、神様から見たら殺人と同等の罪だというのです。
 またこうもイエス様はおっしゃいました。

マタイの福音書
 5章27-28節
27,『姦淫してはならない』と言われたのを、あなたがたは聞いています。
28,しかし、わたしはあなたがたに言います。だれでも情欲をいだいて女を見る者は、すでに心の中で姦淫を犯したのです。

 情欲をいだいて女を見た時点で、それは、神様から見たら姦淫と同等の罪だというのです。

 人間の常識からしたら、ありえない判断ですよね。
 でも、神様はこんな考え方、価値観を持っておられる方なのです。

 人間的な基準で、清く正しい人のように見えたとしても、神様の目から見たら、心の中には、怒りや情欲やねたみなどが少なからずあるはずです。
 神様の前には、まったく罪のない人なんていないのです。

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