診療、看護、介護に生かす聖書の人間観(その38)

<医療、福祉業界で従事する私たちは、どう生きていくか。(1)>
 〜〜どんな状態の人であっても、神様が本当に愛されている方。大切に接したい。〜〜

 ここまで、このシリーズでは、聖書を土台として、人間について考えてきました。
 聖書が人間についてどう語っているか、聖書の人間観がどのようなものか、ある程度見えてきたのではないでしょうか。

 これらをふまえて、医療、福祉業界で従事する私たちは、どのように生きていったらいいのでしょうか。
 これらの知識を、どのように日々の診療、看護、介護などの仕事に生かしていったらいいのでしょうか。

 基本的な原則がいくつかあげられると思います。

(1)どんな状態の人であっても、神様が本当に愛されている方。大切に接したい。

 私たちが、業務で接する方々は、本当に多種多様です。
 いろいろな性格の人がおられるし、今まで歩んでこられた道すじもさまざまです。
 それぞれ、いろいろ得意なことを持っておられるし、すばらしい足跡を残してこられていることでしょう。
 それと同時に、それぞれがいろいろな弱さを持っており、罪があり、今までの人生の中で傷と思われるものを持っておられるはずです。
 神様は、どのような人も愛し、受け入れておられます。
 私たちも、まずは無条件に、目の前の患者様、利用者様を愛し、受け入れましょう。
 罪や弱さがあっても、赦しましょう。
 一人の人間として、認め、受け入れましょう。
 その方の価値観を尊重し、その願い、希望、夢の実現のために力を尽くしたいと思います。

2019/1/29 診療、看護、介護に生かす聖書の人間観(その37)
 で書いたこととも関連しますが、
 病状が悪くなったり、高齢になったりしたために、ADLが落ちて、自分からあまり動けないような状態になったとしても、社会とのつながり、周りの人とのつながり、交流ができるだけ広く、深くなるようにしましょう。
 文化的な潤いのある生活が維持できるようにしましょう。
 できることが少なくなっても、その方でなければできないような役割をになってもらえたらいいですね。
 どんな状態になっても、ほかの人のために何かをすることができるのではないかと思います。ほかの人に何かを伝えたり、何かを残したりできるはずです。
 それらのことが生きがいになっていくかも知れません。
 人は人間関係の中で成長しますし、死ぬまで成長を続けるのです。

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