「メディカル・サポート・コーチング入門」から(その19)

<伝えるスキル(5)>

 〜〜要望する〜〜

 コーチングとは、相手が自分自身の中から答えを見つけ出すためのサポートです。
 ですので、コーチ側からの意見やアイデアを強く勧めるは極力避けるのが基本です。
 ですが、日常の私たちのコミュニケーションにおいては、相手に何かを強く勧めたり、要望したりという場面があると思います。
 要望する時に、注意すべきポイントがいくつかあります。

 まず、これは要望であるということを伝えます。
 「私から一つ要望があります。」
 「これは、あくまでもこちらからの要望なんだけれど、」
 などのように、枕詞で明示します。

 要望する内容は簡潔に伝えます。
 この時、できるだけ「具体的な行動」を要望するように心がけます。
 たとえば、
 「これは私の要望なのですが、今週中にタバコを半分に減らしてもらいたいのです。やってもらえますか?」
 「一つ要望があります。その資料の作成をこの3日間で完成させてほしいのです。やってくれますか?」
 という感じです。

 「具体的な行動」とは、やったかどうか確認が可能である行動のことです。
 このような具体的な要望や提案をすると、相手が行動しやすいと言えます。
 コーチングでは、こちらから提案や要望をしても、それを受け入れるかどうかは、完全に相手の自由です。
 相手との対話の中で、提案や要望が全面的に受け入れられなくても、
 「ここまでならできる」
 「こんなふうになら可能だ」
 といったように、一部分だけ、もしくは少しアレンジして受け入れてくれるという場合もあります。

 相手が要望を受け入れた場合には、必ず、その行動の結果を確認する場を設けるようにします。
 要望しっぱなしではなく、その結果を報告する機会を設定しておくことが、行動の効果をさらに高めます。

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