「メディカル・サポート・コーチング入門」から(その18)

<伝えるスキル(4)>

 〜〜枕詞(まくらことば)を使う〜〜

 「枕詞」とは、和歌や俳句に関わる用語です。
 ここで言う枕詞は、前置きと呼ばれるものと似たニュアンスで使われています。
 何かを相手に伝える際に、あらかじめ前置きをして、相手に、言ってもいいかどうか許可をとってから伝えるのです。
 何かの情報やアドバイスを伝える時、自分の意見を伝える時に用いると良いスキルです。
 特に言いにくいこと、相手にとって悪いことを伝える時に非常に役立ちます。

 たとえばこんな感じです。

 「あくまでも私の意見ですが、言ってもいいですか?」
 「ちょっとした情報があるのですが、聞いてもらえますか?」
 「参考までに私の体験を話してもいいかな?」
 「ちょっと言いにくいことですが、お話してもいいでしょうか?」
 「君にとっては耳が痛いことかも知れないんだけど、聞いてくれるかな?」

 相手に許可をとるという1ステップを入れることによって、
 相手は話を聞く準備ができます。
 ショックを和らげる効果もあります。
 つきはなされたと感じられることがなく、気づかってくれていると感じてもらいやすくなります。
 上記は許可を得る枕詞の例ですが、次のような軽い枕詞もあります。

 「これは私の意見なのですが」
 「参考までに聞いてもらいたいのですが、」
 「間違っているかも知れないのですが、」
 「多分ご存知のことだと思いますが、」
 「あくまでも一般的な話ですが、」

 このような枕詞に続いて伝えられると、伝えられる内容が受け止められやすくなります。
 高圧的に、一方的に、押し付けがましく話されると、私たちは、そんな話を聞きたくないし、従いたくないし、実行したくなくなります。
 でも、このような枕詞に続けて、ひかえめに話されると、穏やかな気持ちで相手の言葉を聞き、内容をよく考え、受け入れようとするものなのです。

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